「天災は忘れた頃にやってくる」
令和5年5月19日
明治の物理学者の寺田寅彦の言葉だそうです。「天災は忘れた頃にやってくる」と言う言葉は戒めの意味でも良く使いますが、どこからの引用なのかも知らずに使っていましたが、たまたま先般の本部施設の全体会で法人の顧問である烏野猛先生(びわこ学院大学教授・学部長)が「関東大震災から今年で100年です。最近は北は北海道から南は九州まで至る所で地震が頻繁に起きている。そして地震の後の集中豪雨が重なると被害は倍増する。特に今年の気候はエルニーニョ現象が起きるので大きな被害が起きる懸念がある。」との話を聞き私は「関東大震災から100年なのか」と理解してインターネットで情報を見ていて寺田寅彦先生の言葉だったのだと知りました。最も私は寺田寅彦先生が物理学者として有名な方だと言う事も知らなかったのですが・・・。
最も元々東京帝国大学物理学の先生だった寺田寅彦先生が元々火災や地震などの災害に関心を持っていたが、1923年の関東大震災発生後は、これまで以上に深い関心を示すようになったとの事。寺田寅彦先生の論文の中に『こういう災害を防ぐには、人間の寿命を十倍か百倍に延ばすか、ただしは地震津波の周期を十分の一か百分に一に縮めるかすればよい。そうすれば災害はもはや災害ではなく五風十雨の亜類となってしまうのであろう。
しかしそれが出来ない相談であるとすれば、残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するよりほかはないであろう。』この文章を読んだ時に私は「当たり前の事をここまで難解に書かれる頭脳はどの様な構造になっているのか」と思った次第です。そして次に『文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があると言う事実を十分に自覚して、そして平生からそれに対する防護策を講じなければならないはずであるのに、それが一向に出来ていないのはどういう訳であるか。その主たる原因は、天災が極めて稀にしか起こらないからであろう。』と警告をしている。
しかしかがら、「天災は忘れた頃にやってくる」のことばは寺田寅彦先生の論文には出てこなくて、この言葉を弟子の中谷宇吉郎が寺田寅彦先生の死後である1938年、朝日新聞に「天災」と題する文章を発表した中に『天災は忘れた頃に来る。之は寺田寅彦先生のが、防災科学を説く時にいつも使われたことばである。そして之は名言である。』と書いて世にこの言葉が残ったと言う事です。この言葉は高齢者施設の経営をしている私にとっては胆に銘じていかなければ災害時に後悔しない為にも大切にしていきたいです。口幅ったい事を言うようですがリピーターの皆さんも心掛けて下さい。
軍国主義に走ったかつての日本は10年毎に戦争をしてきた(日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦)事実がありますが大震災は100年周期とも言われます。お互いに留意したいものです。※ 余談です・・・コラムを書くようになって題材をインターネットで検索するようになって知識が増えてきたと自画自賛です。