相手の立場に立ってのアクションこそが大切
母親代わりだった一番上の姉が結婚して半年後の23歳の若さで他界したとき、末っ子の長男であった私は高校二年生に進級したばかりの4月7日。腕をもぎ取られたような焦燥感の中で箸にも棒にもならないような生活をしていました。その当時現役の校長だった父親には随分(いやいや、随分なんてものではなく全く)迷惑ばかりかけている中で夏休みを迎えました。そんな時に、鉄砲撃ちで熊のような伯父さんから呼び出しの連絡を貰い恐る恐る伯父さんの所に行くと、伯父さんは予想とは違いにこにこしながら「宏や、わしと一緒に四国を歩かんか」と言われ、何の事か解らないし、いきがった高校生としては「くそ暑いのに何で四国まで行って歩かなあかんの」と言うと、流石に伯父さんは頭が良い。簡抜を入れずに「でもな、女子高生も女子大生もいっぱい一緒だぞ!」と言われ、引っ込みがつかない私は「ほんなら行ったるは」と言う事で四国巡礼の歩き団参に行く事になりました。出発当日は午後3時に長浜にある滋賀信行会本部に集合。その当時はコンビニエンスストアが至る所にある時代ではないので翌日の朝と昼のオニギリがリュックサックに入っていて!(昼にオニギリを食べるとぷーんと匂っていましたが大丈夫でした)お参りと説明会に引き続き夕食を頂きその後、長浜駅まで歩いて普通列車で大阪まで行き、そこからは船底で、文字通りの雑魚寝で四国に渡り、早朝の普通列車で坂東と言う小さな駅で降りて人数確認をしている時に、団体の責任者である伯父さんに呼ばれて伯父さんから不思議な指示が私に出ました。それはどのような事かと言うと血気盛んな高校2年生の私に、どんなことがあっても最後尾を歩けと言うものでした。団参の責任者の伯父さんの指示は絶対です。しかしながら正直言って支持を受けた時にはどう言う意味か分からなかったのですが、歩き出して30分もしたら答えが出ました。と言うのも団参の参加者は小学1年生から勿論、女子高生や女子大生も沢山参加されてはいたのですが、76歳の女性の方もいれて総勢70名。当然のように76歳の女性の方がじりじりと本体から遅れられたのです。高校2年生の私は本体から遅れていく状況の中イライラしても責任者である伯父さんの言うことは絶対。頭の悪い当時の私が(今も大して頭が良い訳ではありませんが)イライラしている中で考えたのは、彼女が背中に背負っている荷物を私が持てば少しは楽に歩いてもらえるのではないかと言うことです。そこで私は彼女に「荷物を持ちますよ」と声を掛けました。すると彼女は「そんな勿体無い事」と言われ、またまたイライラ。三度目に声を掛けてようやく荷物を持たせて貰え、少しは楽に歩いてもらえたようでした。この時の経験から高齢者の方は遠慮されるが本当の気持ちが何処にあるのかを理解することの大切さを知りました。相手の身になってアクションを起こす為には相手の心身の状況を理解することが大切です。今年も今以上の情報収集とコミュニケーションを充実させ、より一層相手の身になったアクションをしていきたいと考えていますので今年も宜しくお願いします。