今日は『こだわり』について書きます
私にとって初めての施設は平成10年に完成した本部施設の建設です。
その時は資金がない中での工夫をするため、講演依頼を受けた時に講演した近くの施設を見学に行かして貰ったり(だって旅費が浮くでしょ)、その当時の最大の支援者だった吉田宏岳先生(その当時日本福祉大学中央福祉専門学校校長)から紹介して頂いた施設に行ったりしていました。
具体的に補助金が付くと決まってからは、お金の工面は大変でしたが(まだ、組織が無いので全て自前でしたから)、瓦を見に愛知県高浜にある瓦を製造している所に行ったり、静岡県や愛知県の特殊浴槽の製造工場を見に行ったり、名古屋にあるベットのモデルルームに行ったりしました。
建築が始まってからも、一週間に一度のペースで作業の進捗状況を設計管理を任せている設計士と一緒に建築途中の本部施設を回りました。(正直2階へ行く仮設の階段を歩くのは何度歩いても平気な気分にはなりませんでした)
つまり、文字通り『自分の目で確かめたい。』との思いでした。その当時指示を仰いでいた、吉田宏岳先生から「図面を見ても理解出来ない事があったとしても、例えば鉄筋の数を数えたりする事をすると業者さんは『手を抜けないな』と思うものだ」との教えを守ってのパフォーマンスでしたが、頑張って数えたものです。段々と形になって行くなかで私は図面では気が付く事が出来なかった事で私自身が疑問に思い設計士に疑問をぶつけて大きく修正して貰った事があります。
それは浴室内の蛇口の位置でした。その位置は極普通に一般家庭の位置と変わらなかったのです。私は、特別養護老人ホームの入居者さんは身体的に厳しい方が殆んどだし、入浴で介助を必要とされる方が殆んどだから蛇口の位置は介助する職員に負担がかかりにくい所にすべきだと考えたわけです。でも、介助が必要でない人にとっては不便だと思われる方もおありだと思いますが、いやいや違いますよ。文字通り逆転の発想です。立ち上がりが出来る方であれば屈伸運動が出来てより元気になって貰えるのではないかと考えています。
最近思っているのは、『思い』は語り続けないと形骸化してしまうと言う事と思いと共に、関わりを持たないと記憶が薄れていくスピードが早いのではないかと言う事です。と言うのは本館の時には図面を舐めるように見ていて総面積は3429.25平米で浴室は1階が99.9平米を3つに仕切り、2階は33.3平米と66.6平米にしてある。等とすらすらと出てくるのに新館や和合については私自身が書類を作っていないので、具体的数字まではでてきません。
勿論、新館にも、和合にも思いは沢山ありますので語らなければいけないとの思いを最近富みに持っているのでこのコラムで書いていきたいと考えていますのでリピーターの皆さんも私の思いを共有して貰いますます私を理解して貰えたら嬉しいです。