具体的施策を示していかなければ
『8050問題』が一時クローズアップされましたが、マスコミもあまり取り上げないのか、私が情報を得られていないのかはともかくとして、気が付いた者が何らかのアクションを興さなければいけないと考えてはいるのですが、私が38歳の時に児童養護施設の指導員を辞し在宅で児童問題について個別対応をしたいと無鉄砲な展開を志し、見事に挫折して、今は高齢者福祉の展開をしているのですが、あの当時挫折した理由は志が高くても霞を食べて生きていく事は出来ない現実がありました。
つまり、私が35歳の時に資生堂福祉財団が資金援助をして下さりアメリカ視察研修に参加させて貰った時の児童に対する支援体制の充実が30年前の日本ではなかったと言う事です。(最も今の状況もそれほど変わっていませんが)
前置きが長くなりましたが、『8050問題』について述べます。8050問題とは80歳の親が50歳の子供を支える事で、内閣府統計で40歳以上のひきこもりが61万人と推計される中、ひきこもり当事者とその家族の為の支援団体が資金調達を始めたとの事です。その団体名は一般社団法人『OSDよりそいネットワーク』と言うそうです。『O』親が『S』死んだら『D』どうしようと言う、ひきこもりの親の声を受け、平成27年に発足したとの事です。何故ひきこもりの問題が社会問題化しないかと言うと『一部の家庭の問題』と言う捉え方が一般的な考え方だろうと思います。
私が25年前に特別養護老人ホームを造ろうと考えた時が正にそうでした。『認知症』(当時は痴呆症と言っていました)についても「私の家には関係ない」と考えていた時代でしたが、認知症の方が700万人に急増した今切実な問題です。但し、ひきこもっていた方が50歳になられて親が抱えるのは無理ですので社会問題化してくるのは自明の理だと私は考えています。私はそんな方を一人でも二人でも社会に適応出来るようになるようなお手伝いがしたいのです。勿論、簡単な事ではないし、困難が待っている事も理解してます。しかしながら、社会福祉法人の責務として、やらなければいけないことだとも考えているからです。
話題を少し変えて少子化問題の観点から8050問題がそんなに簡単な問題でないことを述べます。(元々こちらの方が得意分野です。)1990年の『1.57ショック』と言うのがあります。これは前年の1989年の合計特殊出生率が1.57と「ひのえうま」と言う特殊要因により過去最低であった1966年の合計特殊出生率1.58を下回った事が判明した時の衝撃を指しているのですが、衝撃が走ってからもその数値は改善されずに今は少子高齢化の波の中で人口現象が大きな問題になっています。私は全ての問題の根底は『自分さえ良ければ』との考えに取り付かれている方が多いからだからだと考えています。勿論そんな考えの方ばかりでないことも承知してますが多くの方がそうなのではないでしょうか。
国は『互助の精神を』と言っていますが『笛吹けど踊らず』のような傾向が強いのが現実ではないでしょうか。
『豊かな日本の構築』と引き換えにしたとは言いたくありませんが、『所得倍増論』から見えてきたものがあるのか。とにかく今の現実を直視して10年先20年先を見通した展開をしていく同志を多く募れたらと考えているのでリピーターの皆さんもエールを送って下されば嬉しいです。