看護が上で介護は下
令和2年1月23日
確かに特別養護老人ホームの中で医療行為は看護職員しか出来ません。だから、業務の中で看護師に委ねなければいけない業務は間違いなくあります。しかしながら、だからといって『看護が上で介護は下』と言う考え方はおかしいのではないかと言うお話をします。
介護職員の中で、『いつもとは違う何かを感じてその方に添え寝をしていて異変に気付いた。』とか『いつもよりも落ち着きがないのでゆっくりとした対応をする事により落ち着かれた。』と言う状況はいっぱいあります。『特別養護老人ホームは生活の場』なのでその人らしい生活を過ごして貰う事に於いては介護職員の方が勝っていると思える場面が度々あります。
つまり、『看護』と『介護』の役割が違うだけでどちらが上と言う事はないのではないかと言う事です。但し、『看護職員』は国家資格をクリアしなければ看護職員にはなれませんが『介護職員』は資格が無くてもなれるのです。私は日頃から「介護職員は誰もがなれる。但し、優しさと一生懸命さがあれば。」と言っていますが、一生懸命に頑張っていればキャリアアップをする為の努力は必然だと思っています。
先般本部施設に来て頂いたサンビレッジ専門学校の小林校長先生も「介護学と言う教科書はあるが医療の観点からのものばかりで素晴らしい介護職員は沢山存在しているのに理論武装をした『介護学』と言えるものが出来ていない。」とのお話に私は思わず大きく頷くと共に「是非私が目の黒い内に完成させて下さい。」と言った次第です。『介護福祉士』の国家資格が出来た時に介護現場から多くの先駆者達が大学で教鞭をとるようになると共に医療サイドからも介護の養成校で教鞭をとられるようになりました。
特別養護老人ホームの建設が計画された当初はいわゆる『病院モデル』から出発した事は事実です。しかしながら長い年月を経て『生活の場』の追求をして、病院モデルからの脱却をした施設は多く見られるのに、『医療優先』的な考えを持っている施設が存在しているのも事実です。特別養護老人ホームでの『認知症ケア』であったり『寄り添いケア』の実践は介護職がイニシアティブを持って実践している事でその事実を声高らかに訴えていき、介護職の社会的評価を上げていく活動をしていかなければいけないとも考えています。リピーターの本日は私の思いで『介護』について語りましたが色々なご意見を頂けると嬉しいです。」