入居者さんから貴重なアドバイスを頂きました。
令和5年8月20日
朝のお参りの4ヵ所目を終えて、入居者さんにご挨拶をして回っている時に貴重なアドバイスを頂いたので、そのお話をさせて頂きます。
その入居者さんは、かつて高校の校長先生をされていた方で、絵も得意で本部施設の地域交流スペースにも大きな絵を飾らせて頂いています。絵を画いて貰うのは、施設では現実的でない事を理解されていて、ちぎり絵を沢山完成されたのを施設内に飾らせて頂いています。また、自宅で生活されていた元気な頃は盆栽も見事なのを造られていて、施設に入居されてから「息子はなかなか水の管理をしてくれないので、駄目になってしまう。」と言われていたので、庭師さんに車を出して貰い、立派な盆栽を施設に運び、その後の管理は職員の協力を得て欠かさずされています。(本館の玄関先の芝生の所に、大きくて立派な紅梅・白梅があります。見事な花を咲かせる春に見に来て下さい。)
また、施設入居されて3カ月が経過して、生活にリズムが出来た頃から毎日ノートに鉛筆で般若心経を書かれているのも頭が下がる思いです。(既に6年続けられています。)そんな入居者さんと朝の会話をしていて素晴らしいアドバイスを頂いたのです。それは私が大垣の和合の施設に籍を置いた事をご存じで「大垣の施設はどんな風ですか。」と声を掛けられたので「やるべき事が沢山あります。」と答えると「私も新天地の学校に赴任するたびに、前の学校との違いにいらいらしたものです。急激に変えようとすると難しい問題も出て来るので、じっくりと構えて自分のお考えを進められたら良いと思います。」と言われたので、私は「経験の中からの言葉は重いな。」と思った次第です。
その入居者さんとのご縁についてですが、最初は本人のお母さんからでした。本部施設での対応に共感して下さっていて、その頃の家族会役員も務めて頂きました。次には奥様のご縁を頂く事になりました。その頃はバリバリにお仕事をされていたにも関わらず「連れ合いは自分が介護する。」と言われていて、現実には無理だとの話が私の耳に入りましたので、私は家まで話をしに行って納得をして頂いての入居となりました。(正直その時は、厳しい事を言った様に記憶しています。)そして、6年前に本人さんが入居の運びとなったのです。
入居される前に病院に事前訪問で伺うと、意気消沈されていて生きる気力も失っている様に感じてしまいました。実際に入居された当初は「眠れない。」「生きていても仕方がない。」「家には帰りたくない。」等と言われて、薬での調整も上手く行かなかったのです。しかしながら、前述した入居3カ月後には心身共に施設での生活にも慣れられ、職員への『指導』もしっかりして頂く存在になり、生き生きと施設での生活を満喫され「家に帰らない」と言われていたのが嘘の様に、家へ帰られる時等、当日前からウキウキされているのが分かり、当施設に来て頂いて良かったと思っています。
リピーターの皆さん、決して本日紹介した方だけが生き生きされているわけで無い事を見に来ていただけると嬉しいのですが。