先日、「この前のあれ(音楽レクリエーション)よかったわ。なつかしくって。」80代の女性の利用者さまより声をかけられました。音楽レクリエーションをはじめてから、ときどき訪れるうれしい瞬間です。
前回は4月ということで《学校》をテーマに行いました。今回は授業風におこない楽しんでいただこうと計画をたてました。1時間目「国語」では発声練習をかねて音読をしていただこうと、昭和初期に使われていた小学校一年生の教科書の内容を調べてとりあげました。
90代の女性の利用者様が「懐かしい。これ、ほんとにこれだったわ。」とおっしゃられ懐かしがられてみえました。「サイタ サイタ サクラガ サイタ」「コイ コイ シロ コイ」などカタカナで書かれている教科書です。そのかたにあとで教えていただいたのですが、昔は今のように学校ごとで教科書が違うことがなく、日本全国で同じ教科書でならっていたとのこと。同じ教科書を兄弟でまわして順番に使ったりされていたとのことでした。とても懐かしそうにお話ししてくださいました。岐阜市博物館の企画展で「ちょっと昔の道具展」というものが行われています。(去年もちらしがおいてあったので、たぶん毎年行っているんだと思います)
うちの子供達が小学生の頃、この企画展が大好きだったので、毎年行っていたのですが、その展示のなかでこの昭和初期の教科書などが展示されていて、そこで私も見たことがあるのですが、日本全国でおなじものを使われていたとは知りませんでした。でも、ご自身が小学校のころ使われていた教科書、こんなにしっかりと覚えられている方もみえるのですね。大変驚きました。戦前の話しです。いろいろなご苦労があったんだろうなとお話しをうかがいながら感じました。何かをきっかけに、昔のことを思い出したり、懐かしんだり、いいことばかりではないかもしれませんが、何か感じていただけるといいなと思い、いつもレクリエーションを考えています。もちろん楽しんでいただくのが一番ですが。
他の皆様も一緒に楽しくご自身の子供のころを思い出しつつ楽しんでいただけたようでした。

