トランスファー研修委員会

11月委員会報告

【molten福祉用具】:ウィーリィ(車いす)

  • 2名使用

【上手な介助と下手な介助】

車いすやギャッチアップベッド、エアマットといった福祉用具の進歩やフィッティング技術、使い方で、高齢者の健康が維持されるとしても、介護者が直接本人の身体に触れて介助を行う場面で介助方法が不適切であれば、状態は悪化していきます。

介助技術を学ぼうとする場合、「やり方や形を真似る」ことから入ります。しかし、本当の上手・下手は「形」では決まりません。上手な介助とは、絶えず介護者が利用者の様子を感じとりながら、瞬間ごとに必要な介助を適切な形でちょうどよい量で行うものです。一定の形で行われる介助は、むしろ「画一的な介助」というべきです。

たとえば、立ち上がりの一部介助が必要な場合、本人は下肢を突っ張ることができるのに、全介助で身体を持ち上げてしまうと、本人は怖くて身体を強張らせてしまいます。反対に、介助量が足りなければ、立ち上がることができずに転倒してしまいかねません。

動作介助は、「上手な人が行っている時は少しも大変そうではなくて、簡単そうにみえる」「下手は人が行っている時は、大変そうで難しそうなことをやっているようにみえる」ものです。

それは「社交ダンスのようなもの」とたとえれば理解しやすいと思います。介護者と利用者がお互いの状態を感じ取りあいながら、「2人で1つの動作を一緒に行う」ものなのです。

決して格闘技の「投げ技」のように行われるものではありません。そのような介助は、利用者に恐怖感や苦痛を感じさせ、事故も起こりやすいものです。また、廃用性に機能低下していきます。

自分が何をしているのかをしっかり感じている介護者であれば、利用者がどのように反応しているかも感じ取ることができます。それができて初めて、やり方を変えてみることもできるのです。利用者の様子を観察するだけではなく、自分自身が何をやろうとして自分の身体をどう使っているのかを、自分自身でしっかりと観察できること、それが動作介助上達の方法になります。

引用:大渕哲也著 ポケット判 介護の○と×シリーズ 移乗・移動の介助○と× 中央法規出版 P114-115

【本館1階の取り組み】

報告がなかったので、終了とします。

(来月の取り組み)

今年度の目標:全職員が道具や福祉用具を適切に使って、トランスファーを実践できるようになる