高山市の老健施設『それいゆ』の殺傷事件を考察します
令和3年12月1日
事件発生からすでに4年3ヶ月が経過していて、事件が形骸化されてしまいそうな段階である。明日(12月2日)から岐阜地裁で公判が始まると言うことで、昨日から3日連続で岐阜新聞での連載記事が掲載されている2日目までの段階で、私なりの考えも含めコラムにします。
書き出しの記事に「認知症専門棟の入居者5人が約半月の間に相次いで死傷した問題の発生から4年3ヶ月。うち女性2人に暴行を加えて死傷させたとして、傷害致死と傷害の罪に」(中略)(私が気になったのは)「被告はいずれも無罪を主張し、徹底抗戦する構えだ。介護施設の一室と言う閉ざされた空間で、何が起きているのか。」には、老健と特養の違いはありますが私も介護施設の一員としてコメントします。
私が一番気になったのは、『認知症専門棟の入居者5人が約半月の間に相次いで死傷』について残念でならないのです。何故なら一人目の段階でしっかりとした対応をしていれば二人目からの死傷は防げたと思うのです。それが偶発的な事故であっても故意としての犯罪だったとしても二人目は起きなかったと思います。どういう事かと言えば事故であれ事件であれしっかりとした状況把握をして、同じ事を繰り返さないと言う事を経営者も現場の責任者及び職員が意識した対応をしていれはと考えると残念でなりません。「認知症の方だから仕方がない」等と考えられていたとすれば残念でならない。ただし、私は『それいゆ』の職員は認知症の理解がどれ程なされていたのか分からないのでコメントしにくいところがあるし、被告になった職員にどれだけの知識を学ばせていたかが分からないので難しいところではあります。ただし、事故であれ事件であれ死傷した事実は重く受け止める必要はあると考えています。ましてや、夜勤者は昼間の勤務とは比較にならない位の役割を担わなければならないので、果たして被告になったかつての職員はどこまでの技量があったのか経営者側は掌握していたのかも理解していく必要がある。
新聞の紙面には『徹底抗戦』とも書いてあったが、何に対しての『徹底抗戦』なのかが私には理解できない。また、「乏しい直接証拠、立証にハードル」との大きな見出しが書いてあったが、確かに裁判ともなれば『確固たる証拠』がないといけない事は私も曲がりなりとも大学は法学部だったし、一般論で言っても理解はします。しかしながら、被告人は福祉を志して介護の道を歩まれていたのだとすると、お世話をしていてあばら骨が折れている事実をどのように感じているのか知りたいものであります。夜勤は職員が一人で対応しなければいけない事も多々あると思います。だからこそしっかりとした対応ができるように教育すべき事も多くあります。経営者は単に配置基準を遵守するだけではなくて事業推進上必要な配置が出来るように職員の資質向上に汗をかかなければいけないと改めて感じた次第です。
介護人材の量と質の向上に力を入れていき、働きやすい環境作りに改めて邁進していきますので、今後共にご支援ご協力をリピーターの皆さん、宜しくお願い致します。最後に少なくてもこの事件を契機としてより良い環境の中で頑張れる職場作りを心掛けていきたいと考えています。