令和2年9月4日
成年後見人制度の本質は理解しているつもりですが、社会福祉士会所属の方が成年後見人をされているとなると、『建前と本音』の部分で随分考え方が違うとの話をします。
私の場合は26歳までのいい加減な生き方の中で紆余曲折があり、たいした考えも無しに飛び込んだ『福祉の世界』だったのですが、どっぷり40年以上この世界でうごめいていると、究極的には『福祉は相手の身になって行うもの』と言う考え方に至ったのです。決して『自己犠牲の中で行うものでは無く』て『自ら行う奉仕の心』が大切だと考えています。介護の中で『寄り添いケア』と言うものがありますが、これは単に『傍にいれば良い』と言うものでは無くて『相手の気持ちに寄り添う事』が肝要だと思っています。そう言う意味で社会福祉士は福祉の専門家としての国家資格を持った方ですから単に知識を持った専門職では無く、福祉の心を持った対応こそ求められるべきではないかと考えています。つまり、知識をひけらかすのでは無く、相手に安心感を持って貰える存在であって欲しいと思っているからです。
つまり、対応に苦慮されている方がお見えになれば適切なアドバイスやフォローをする事が求められていると思います。当法人本部施設において色々な行事を実施するのも、月1回のバイキングを実施するのも「入居者さん、利用者さんとその家族も含んで喜んで貰える」との思いからです。また、残念ながら看取りの方が亡くなられた時にお風呂に入って頂くのは「綺麗な体でお見送りたいし、本人もその家族も喜んで貰える。」との思いからです。葬儀の相談も私の知り得た情報を提供するようにしています。
敢えて手前味噌の話をします。当施設にご夫婦で入居されていて、お身内の方でお世話をして頂ける方がない方のご主人が先に亡くなられた時に喪主は奥さんになって頂いたものの、葬儀一切を施設側で行わなくてはいけない時の手続きから、通夜、葬儀も奥さんに代わってさせて貰い、施設での葬儀だったので奥さんだけでなくて、入居者さんも参列してのものだったのですが、ここで思わず笑ってしまったのは、通夜が無事に終了したら奥さんも「ありがとうございました。無事に通夜も終わりましたので部屋に帰ります。」とさっさかさっと帰られたのです。要介護状態の方ですし、当然と言えば当然の事なのですが・・・。結局私は亡くなられたご主人を一人にしておくわけにもいかず、ご主人の傍で文字通り添い寝をして一晩を過ごしました。
何が言いたくてこの様な事を敢えて書かせて頂いたかと言うと、介護保険制度の中で、『亡くなられてお風呂に入れろ』とか、『葬儀を施設で実施しろ』等と言う事は決して書いてありません。しかしながら、「亡くなられたら関係ありません。業務でありませんから」とは決して言えないと思います。困ってみえる方があったら何とかする事は福祉の中の根本だと思っているからです。だって『福祉』の『福』にも『祉』にも『しめすへん』があるでしょ。『示』の原型は『神様にお供えする三方の事』つまり『幸せな生活』こそ福祉そのもの。リピーターの皆さん私の言いたいことをご理解頂けたでしょうか。