理事長コラム

令和6年度に介護報酬改正があります。

介護報酬改正は3年に1度行われるのですが、今回の改正は医療報酬改正との同時改正であり、インフレ基調になっている中で、つまり物価高騰が顕著な中での改正であり、極端な介護人材不足の中であり、特養の事業所の40%が赤字の中であれば介護報酬が上がるのは当然の事と受け止めたいところではありますが、国の機関である財政審議会においては「特養においては貯め込んでいる。」との内容が意見として出ているとの情報を聞くと唖然としてしまいます。

介護人材の賃金は国の平均賃金をはるかに下回っている中で、事業所を経営している側である私としては「大きく賃金アップを」と言いたいところですが、将来的な大規模修繕を考えると「大きく賃金アップは出来るものではない。」との方向しか見えてこない。岸田総理は「賃金を上げて経済の活性化を図る。」と言っていますが、当法人の様に介護報酬はいわゆる『公定価格』なので、勝手に料金を上げると言う事は出来ないのが現実です。

(あり得ない事)最近のニュースの中で『最低賃金が1000円』と言う事なのに、介護報酬が上がらないと言うミスマッチが起きて、介護事業が成り立たない状況になりかねないと考えています。

現実の話として、長期化する新型コロナウイルス感染症及び物価高騰の影響で、法人の経営努力だけでは介護事業のかじ取りがますます難しくなってきます。介護報酬も賃金スライド及び物価スライドを導入して貰えると今まで以上に安定した経営が出来ると思います。職員の賃金を上げて行く為に『介護従事者の処遇改善』が行われてきたが、この手法の問題点として、『介護職』以外には恩典が行かない所からスタートしたので、事務職等への配慮が無くて介護職以外の職員の賃金アップは法人が捻出するしかなかったのですが、若干の配慮がされる様になって、処遇改善加算の事務手続きが複雑になった事は間違いない事実なので、事務手続きの簡素化についても配慮して頂きたいと考えています。端的に言えば処遇改善加算等と言う姑息な(言い過ぎかな)手段を使わづに『基本報酬の増額』を打ち出して頂けると正直有難いのですが。

また、介護報酬とは別の『食費・居住費』についても諸物価の高騰もあり基本単価を上げて頂かないと、今のままでは素敵な食事の提供が出来なくなってしまいます。利用者負担には『減額制度』と言うのがあり、いくら法人で食費や居住費を上げても、減額への配慮をしなければいけない利用者が半分おみえになるので、標準単価を国で上げて頂かないと厳しい状況である事は間違いない事実だと思います。特養の入居基準が『要介護3以上』になった事により、入居者の重症化が進んでいる中、職員の多配をしていかなければいけないのも現実です。この現実を政治家やマスコミに訴えていかなければいけないと考えています。

リピーターの皆さん、この現実をご理解下さい。