(今月の取り組み)
【北欧式トランスファーの基本的な考え方】
①持ち上げない
②利用者の積極的な参加
③自然な動き
④摩擦
⑤傾斜
⑥てこの原理
⑦太極拳のようにしなやかに
バイオメカニズム
人は、真上からの圧力にはかなり耐えられますが、前傾姿勢で物を持ったり、身体をひねる姿勢は身体に大きな負担がかかって楽ではありません。介護現場での移動・移乗介助では、往々にしてこの2つの姿勢を同時にとることがあります。これを毎日何回も繰り返すと、腰痛を起こす原因となります。
北欧式トランスファーでは、つらい前傾姿勢での介助を楽な介助に変えるために、いくつかの工夫をしています。
- 作業中ベッドの高さを腰骨の位置あたりまで上げる
- ベッドや車いすなどに付いているじゃまな部品を取り外して利用者に近づく
- ひざを曲げて、体重移動で動かす
また身体をひねらないように、引く・押すという水平方向の動きを取るとき、常に鼻と両足のつま先が身体の動きと同じ方向を向いているように心がけます。
さらに介助者自身も移動時にはできる限り安定した立位(両足を広げ、片足を一歩前に、ひざは軽く曲げて)を取り、ゆっくりスムーズに動くことを心がけます。
キーポイントは、できる限り楽な姿勢で、力を使わずに楽に動かすことです。つらいか楽かは、自分の身体がいちばんよくわかっています。自分の身体が発する信号を素直にキャッチして、より楽な方法を考えましょう。
引用:小島ブンゴード孝子著 北欧に学ぶやさしい介護——腰痛を起こさないための介助テクニック—— 株式会社ワールドプランニング P15
(来月の取り組み)
【道具の活用】
全職員が道具や福祉用具を適切に使って、トランスファーを実践できるようになる