理事長コラム

私の小さい頃とは随分違っています。

「何の事か」と言えば『田植えの風景』の事です。

私が60年程前の小学生の頃に『田植え』をすると言うと『家族の一大行事』であり『地域の共同作業』であったと思います。と言うのはその頃の『田植え』は『地域行事』の様なものだったと理解しているからです。何故ならば「自分の田圃は自分の家で田植えをする。」と言う概念では無くて『お互い様』の共同作業だった様に思います。大勢の人がロープで仕切った所にそれぞれ入り一斉に元気に話をしながらも効率よく苗を植えていくのです。

私はと言うと畦道に座ってお菓子を食べながら見ていたのだと思います。(その頃の私は畦道を走り回る様な子どもではなくて「ここで座っていなさい」と言われたら大人しくしていて母秋江さんから「大人しく待っていて偉い子」と言われるのが嬉しかった様な子どもだったのです。)大きな田圃に一人で田植え作業をするのはとてもしんどいことだと思うのですが、大勢で賑やかに話をしながら田植えをするのは「楽しみながら作業をするレクリエーション」のような要素があったのではないでしょうか。

そして60年後の今はと言うと「朝には水が張っていた。」と思っていたのが大きな田植え機を一人操作して夕方には田植えが終わっている。と言う感じなのです。水もに浮かぶ苗は60年前よりは細く頼りないものを感じると共に農作業もコミュニケーションの無いものになってきたと思うと少し寂しい気がします。機械化が進み効率化が出来たのは素晴らしい事に違い無いのですが・・・。

私が中学生の時の英語の先生が『今須と大垣の違い』を何度となく聞かされました。その先生が言われたのは「大垣は都会で隣の家の方とも挨拶すらした事が無い」と言う事でした。その頃の私は「そんな生活があるのか」と思ってただけでしたが、今は私も隣の家の方とも挨拶が出来ない状態ではありますが、少なくとも色んな方とのコミュニケーションは大切にしていきたいと思っています。