理事長コラム

福祉を食いものにするのは止めてくれ

何日か前の新聞に「食事材料費の実費を越えた請求」との事で障害者グループホームを13都県で経営している(株)恵の記事を見たら全額返金済との内容の記事を見て私は「障害者のお金に対して平気で違法な事が出来る感覚の会社がこれだけで済むのか」と思っていたのですが、今朝の朝刊を見て「やっぱり」と思うと同時に「福祉を食いものにするのは止めて欲しい」と正直に思いました。

具体的な記事に触れていきたいと思います。大きな見出しで『「上場へ」不正横行か』『「恵」経営陣、利益を最優先』『ごまかし担当の社員も』元社員の証言も書いてありました。その内容には目を塞ぎたいものがありました。例えば『施設の不正と言えば、利用者さんの人数に対して職員の配置人数って決まってて、それを満たしてないのに満たしてるように申請してるとかは頻繁にやっていると思います。どこも人が足らないので、ふわふわ(※施設名)全体でやっていると思われますが(中略)最初に実施指導が入った時には、勤務表上で私は「支援員」になっていて、夜勤何て一日も入ってないのに8日くらい入っているように工作していたり、かなり醜い改ざんをしていましたよ』とありました。市なり県の監査が実施されている時に書類上出来ていれば大丈夫との感覚で段々と大胆な不正が行われて行ったのだと思います。

記事の中の情報としては『愛知県出身の中出了輔社長(34歳)と2人の弟、母親が中心になり、2012年に名古屋で設立(中略)18年の売上高は3億円弱だったが、「ふわふわ」という名称で各地にグループホームを次々と展開。22年の売上高は約38億円と、わずか4年で10倍超に増えた。「どんな障害者でも、とにかく受け入れていた。」取材に対し、元社員らはそう口をそろえる。強い行動障害や身体的な疾患があり、対応が難しい知的、精神障害者を積極的に受け入れ、当初は親や行政にありがたがられていたという。だが、ある元幹部社員は「社長や役員はグループホームを『店舗』利用者を『お客さん』と呼び、「上場するにはあとこれだけグループホームが必要だ」「利益は山分けだ。」などとお金の事ばかり話していた。」と証言する。

私は2012年にグループホームの経営を始められた当初は素晴らしい志があったと思います。もしそうでは無くて単に金儲けの手段として始められたとしたらあまりにも『福祉』を蔑ろにしていると言わざるを得ない。私が児童施設にいた頃にスウェーデンのいわゆる『監査』は書類など一切見ないで1週間監査官が泊まり込んで職員の対応を見て行くとの話を聞きました。書類上は完璧でも実態が伴っていなければ意味がない、正にその様な事例だと思います。

困っている人たちを食いものにするのが福祉ではない。「全ての人が幸せになるのが『福祉』だと思います。この様なブラック企業が大手を振って福祉事業が出くる状況にあるのは悲しい現実です。どこかで仕組みがおかしくなっているわけですから抜本的改革が行われ誰もが幸せな安心した生活が出来る様になって欲しい。

自愛の心を持って展開する法人での展開が出来る様になる事を祈っています。