理事長コラム

本館計画時のこだわり

令和2年3月24日

施設見学については、特養、老健を中心におおよそ30施設を見させて頂きました。施設計画が公になるまでの名刺の肩書きは『大垣女子短期大学幼児教育科非常勤講師』だったので、訪問した施設の方には、何故特養建設なのかを話しすることを熱く語る事からさせて頂きました。(ちなみに、計画が遡上に乗ってからは『関ヶ原町老人福祉施設設立準備会代表』の肩書きにしました。)今考えると「へんな奴だが、熱いものを感じる」位の印象を持たれるだけだったと思いますが、どの施設でも親切な誠意を持った対応をして下さいました。

だからと言うわけではありませんが、今は施設見学や施設での研修をお受けした時は精一杯の歓迎をします。但し、施設見学を受ける時は最低3時間のお時間を頂かないとお受けしない事にしてます。何故ならば、法人の理解を含めて3時間はかかると考えているので。正直私は特養がどのようなものかも理解しないままでのスタートですからハード面の事も何もわからない状態からのものなので見るもの全て新鮮でしたが複数の施設を見学させて頂く中で理解していった事は『病院モデルからの脱却』が必須だと思いました。

つまり、特養は『生活の場』として如何に快適な空間を作る事であり、尚且つ、職員にとっても働きやすい環境でなければいけないとも考えました。但し資金には限度がありその事にも配慮することが大切だと言うこともわかっていました。但し、平成9年度の頃は色々な補助金もあり、いろんな書類を作成して、基本の補助金も頂きながらの計画が出来ました。色々な補助金については私の事業に協力して下さる方の中から多くの情報を得てのものでした。また、資金作りの為の行脚もしました。

その中でも当時福祉の重鎮であった吉田宏岳先生(日本福祉大学中央福祉専門学校校長・教育と福祉を考える会代表)には1千5百万円もの支援を受けた時には正直「私にこのような多額の資金援助を頂いて良いのでしょうか。」と聞いたところ、若山さんへの先行投資で10年後を楽しみにしていますよ」と言われた時には「期待に応えれるように頑張らなければ」と背筋を正す思いでした。(先生は新館を見に行くと言われていながらご逝去されたので叶いませんでしたが、天国で「よしよし」と言って頂いているのなら嬉しい限りなのですが)多く見学したなかで、三重県の施設では1階と2階のワーカー室の上り下りは螺旋階段にしましたし、愛知県の施設の地域交流スペースの多目的な活用の仕方を見習いましたし、トップライト(光庭)や中庭の設定も風が通る為の配慮として行いました。(コロナウイルス対策には一番効果があると思っています。)また、ある施設の理事長さんから、「実際に工事が始まったら毎日現場を設計管理者と見て回りなさい。」とアドバイスを頂いたので、図面を見ても良くわからないところが多かったのですが見よう見まねで鉄筋の数などを数えたりもしました。

かなり工事が進んだある時にお風呂を見て蛇口の位置が一般用と同じ位置であることに疑問を持ち職員が楽に使える位置に変更して貰いました。その理由はお世話をする職員が一回一回腰を屈めるのは負担が大きいと考えたからです。リピーターさんの中には利用者に優しくないと思われた方もあると思いますので、私の考え方を言いますと利用者さんにとっては屈伸運動になって良いのではないかと考えたのです。このように、特養の事を全く知らなかった私の考え方は『利用者にとって何が大切なのかを自分なりに考えた結果です。今思うに予備知識がない分、迷いなく出来たのではないかと思っています。