『働き方改革』あるいは『コロナ禍での3密対策』の名の元に休日を増やしていく計画がまかり通る事に介護事業をさせて頂いている立場から少しモノを申しあげたいと思います。
確かに働く側にとって休日が多いのは一見歓迎されるように思います。しかしながらそれには大きな課題が有ることを語られていません。それは仕事量が減らなければ何の解決にもならないし、休んだ分のフォローを誰が担うのかと言う事が何ら語られていなくて、単に言われているのは『業務の省力化に努力を』と言われるだけにとれるのですが、リピーターの皆さんはどのように思われますか。
介護事業で語る前に『学校教育』で語ってみます。学校教育では、文科省が示しているだけの学習をこなさなければなりません。しかしながら、例えばコロナ禍で学校を休校にした分の取り戻しに未だ四苦八苦している現状があります。かつて、文科省が『ゆとり教育』なるものを推奨したことによって、カリキュラムからごそんと抜けてしまった事によって混乱した事がありました。また、長期休暇は学校も例外ではないので、その間は家庭での生活を余儀なくされるのですが、長期休暇の間も仕事を休めない業種も多々あると考えられます。
勿論、介護については最たるものと言えます。長期休暇を謳歌出来る業態が多く存在するとは考えにくいようにも思います。最たるものの介護について詳しく述べていきたいと思います。『介護はきつい』と言われる所以は、心身共に休む事が出来ないからです。勿論家庭において多くの方が携わる事が出来る家庭環境があれば大丈夫ですが、なかなかそんな家庭環境にはならないので『介護はきつい』と言われるのだとおもいます。介護職員の勤務は週に40時間と決められています。つまり、1日24時間✖7日=168時間中で40時間の勤務ですから、フリーの時間は多くあるわけです。だから気分転換を図ったり体を休める事が出来、入居者さんに支えられながら頑張っていてくれています。
但し、本日の課題である長期休暇を取ると言う事で言えば課題は山積してます。介護保険法で言えば入居者3人に対して介護職及び看護職が1人の配置を満たせば法的なルールはクリアします。しかしながら、24時間体制の中で夜勤職員は毎日5人を配置して、早番、日勤、遅番を配置していかなければ良いケア等あり得ない状況下では、3対1の配置ではなくて、最低でも2対1の配置を満たさなければ難しい状況の中で『休みの日を増やす』事等考えられない。「だったら、職員を増やしたら良いじゃん」と思われる方もみえると思いますが、2つの大きな課題をクリアしなければ実現出来ないのです。課題の1つ目には「介護人材の確保が難しい」であり、2つ目の課題は、「職員をこれ以上採用したら経営が成り立たない」と言う事です。一般企業のように祝祭日が確実にある訳でない中でも遣り甲斐を見つけ頑張っている職員がいるから本部の職員の平均勤続年数は10年になったのです。
リピーターの皆さん、当施設の職員に拍手と励ましの声を届けて下さい。