理事長コラム

久しぶりの東京出張です。

令和7年3月19日

朝6時40分に朝食を頂きバタバタと着替えて車に乗り込み岐阜羽島まで運転をして今、新幹線の座席に落ちつき、コラムを書こうとスマホとにらめっこをしても今朝は新聞も見ていないし、朝からの出会いでネタを考えても、屋根がうっすらと白くなったくらいで話題が無いと言う事で、2時間の乗車の時間を利用して、特養の事業開始で無ければ出会えない出来事を書くことにします。

最初に入居して頂いた方は何故か安八町の方でした。その方は身体的にはあまり問題はなかったのですが認知症があり一人での生活は無理だとの事での措置依頼でした。当時の私は認知症に対する知識も体験も無かったので彼女の対応から学ぶ事が多くありました。次に被害妄想が顕著な方の体験です。

その女性はしっかりとした体格でしたが腰が曲がっていて力仕事をされてきた方だとすぐに分かりました。施設に入るなり椅子に腰掛けられ大きな声で「ここは綺麗な所やけど全然いたいと思わない等」と言ってみえたのでさりげなく隣に座り婆ちゃんに手を見せてと言うと「わっちの手をどうするの」と言いつつ手を出して下さったのです。

グッと握りながら「ごっつい手やな」と言うと「わっちは男しと一緒に炭を焼いて男しに負けん位の炭を担いでいたからな」と自慢そうに言われたのをきっかけにして、色んな話ししながらせっかく来てくれたので施設を案内するは、と言ってゆっくり歩きながら気に入った部屋があったらその部屋でゆっくりしてもらっても大丈夫だよと言ってたら2階の一番奥の部屋なら良いよと言って頂けたのでその部屋のベッドに包布をかけて荷物も整理して生活して頂く事にしました。その後もベッド柵に服を干したり、荷物をまとめて廊下を歩かれたりと色んなフィーバーがありましたがその都度彼女の自慢話を聞いて貰う事を繰り返していくうちにいつもニコニコの素敵な入居者さんになられました。

次は男性の入居者さんで当時は喫煙所を設けてあり職員と共に吸える様にしてあったのですが認知症があり5分もしないで今日は一本も吸って無いと事務所に来て訴えられるので、その時は私も対座する形で大きな声でやりあってしまいました。

その方は生活保護の方で何かと言うと市役所に行ってくると言う方だったのですが、最終的に私がタバコを吸った事を忘れてしまうならいっそうの事タバコを止めたらと言ったらやめたるは、と言われて、それからはタバコの要求が一切無くなりました。このケースは理論も根拠もありませんが事実です。26年間の出来事を1日に集約する事は出来ませんがとりあえずここで締めて何れまた書きます。