令和7年2月22日
昨日のコラムで上智大学グリーフケア研究所の実習生の事は書きましたので、昨日の15時30分からの最後の報告会に参加させて頂いた事についてお話します。
結論から言えば表題の通り「傾聴の大切さを改めて理解しました。」と言う事です。遡る事26年前に本部施設を開設して半年が経過した頃の本部施設は、職員の殆どはお客様を施設案内している時にも挨拶すら出来ない状況に唖然として、職員に「どうして挨拶もしないの」と聞いた時に「忙しくて挨拶どころではありません。」との答えが返ってきたのには、もう一度唖然としたのを昨日の事の様に覚えています。どうしてそのような状況になったかといえば、平成10年5月の事業開始だったので所謂『介護保険制度』ではなくて『措置制度』だったので、市町村長さんからの措置依頼により入居する時代であり、新規施設への入居は緩やかで5月末で5人、6月で15人、8月で25人であり定員50人の満床になったのは10月3日だったのです。
満床になったので「これからショートでの対応に力を入れよう」と思っていたのですが、その当時の職員の中には「今でも忙しいのに施設長は何を考えているのだ」と言う反発が強く、「施設見学なんてとんでもない」との考え方の職員が多かったのです。「十分な配置をしている」との説明に耳を傾けない職員から、退職届が多く出されて胃が痛くなったことがありました。その後職員としっかり向き合い今は『寄り添いケア』を意識した対応が出来る様になってきました。とは言え、職員が入居者さんとじっくり向き合っての会話はなかなか出来ないのが現実です。
そんな中でお受けしたグリーフケア研究所からの実習だったのですが、キャリアのある方ばかりだったこともあり、入居者さんへの問いかけと間を置いた対応により、難しいと思っていた方に対する働きかけもクリアして頂けたので、入居者さんにとっても有意義な5日間だったと思っています。受講された方にとっても今の仕事の中で生かして頂ける事も多かったと思いますし、勿論当施設の職員にとっても有意義なものになったと思いますし。施設としては丁寧にレポートして頂いたものを今後に生かしていきたいと思っています。