正直言って『熊』だって好き好んで里に出てきているのではないと思います。しかしながら過去30年の熊の出没情報は右肩上がりに増えていると言う事なので感覚的な印象ではなくてデータとしての裏付けがあるようです。特に東北・北陸では農地や住宅地のすぐ傍での目撃が増えているので、テレビでの報道が増えているのは頷けます。かつて「熊の出没は秋に集中」していたのですが、春や夏にも姿を見せるようになっているようです。また、熊の出没は夜や早朝と決まっていたのが昼間に住宅街に現れるケースも増えているようです。
熊の出没が増えた最大の原因は『人里の荒廃』だと思います。つまり、過疎化や高齢化が進み、かつて人が手を入れていた里山が放置され、その結果、山と人里の境界が曖昧になってきた事によって住宅地や農地が『山の延長』の様になっているのではないかと思っています。地方においては(関ケ原も同じ状況なのですが)人口減少と高齢化により草刈りや間伐が出来なくなって熊の進出が進んできているのではないかとも思っています。
耕作放棄地の問題の他に動物保護みより植物連鎖の崩壊も考えられると思います。それは、かつて日本の山にはオオカミがいて、シカやイノシシの数を抑えていたようなのですが、明治時代にオオカミが絶滅してから天敵がいなくなったのと鉄砲打ちの方が激減した事も大きく影響していると思われます。(ここ40年で鉄砲打ちは4分の1になったとの事です。)自然保護と狩猟制限によってシカイノシシが過剰に増えた事で熊を頂点とした生態系が崩れて熊の餌が減った事も大きな原因の一つだと思われます。餌が減った事によって人間の暮らしの中に入り込んできたのだと言う事なのかと思います。近年の温暖化によって雪も少なくて冬に冬眠をしない熊までいると言うのも困った現象ではありますが現実です。
1990年以降、動物保護や生物多様性の高まりにより春熊駆除制度が廃止、そして2002年の「鳥獣保護法」改正により、春先の一斉駆除は不可能になってからの熊の被害が多くみられ北海道では2023年に条件付きで春期管理捕獲が再開されたとの事。北海道のみならず被害が頻繁におきている現実の中、人への被害をなくすための手立てが必要だと思うので、制度変更を速やかにしていかないと『山菜採り』や『山登り』も出来なくなるのは無しにして貰いたいものです。