令和2年10月12日
全国老人福祉施設協議会が毎年実施している研究発表会に合わせて(本年度はコロナ禍の影響で中止)本部施設においては、毎年、施設内研究発表会を実施しているのですが、第1回の中間発表会が、本日10時30分からと明日13時30分からの2回に分けて、8事例を審査員は理事長である私と水野副施設長に加えて、烏野先生(びわこ学院大学教授・学部長)がリモートにより参加して下さいます。初日の本日は4事例の発表をしてもらいました。
1例目の発表は『「認知症の利用者様」との関りを通して』と言うタイトルで発表者の一生懸命さは伝ってきたので、指導講評してくれた烏野先生からもお褒めの言葉を頂きましたが、もう少しインパクトがあり、他の施設でも参考になるものにした方が評価は高くなる。と話をして頂きましたので、私からは「研究発表をする時には、『この方に対して何をして差し上げたらより良い生活をして頂けるのか』と言う仮説を立てて、その為の計画を立てて実践して、その評価をして、評価に基づいて新たな計画を立てて実践していくサイクルで行う事が大切だ」と指摘しました。人前で発表すると言う事はエネルギーが必要ですし、勉強になるので、今後の展開が楽しみです。
2例目の発表は『防災委員会を立ち上げての取組』とのタイトルでの発表を防災の責任者がしたのですが、防災の責任者としては通り一辺倒の内容だったので、烏野先生からはしっかりと酷評して貰った後、素晴らしいアイデアを烏野先生からして頂いたので今後の展開に期待したいと思っています。勿論私からは「今回の発表は研究ではなくて単なる報告だったので次回は気合の入ったものを期待している。」と話をしました。
3例目は『安楽な体位を目指して・・・ポジショニングの実施』とのタイトルでの発表だったのですが、発表のなかでむやみやたらに『ポジショニング』と言う言葉が出てくる割には具体性に乏しくて上部だけのものに終止していたので副施設長からは「ポジショニングの意味が理解されていますか。」との端的な指摘があり、烏野先生からも「拘縮とポジショニングの関係などが整理されていない。」との指摘を受けて、理事寮である私からは一人目の発表者と同じ様に「一人ひとりの方の状況を把握した上で何を提案して実践していくのかを明確にしていき成功体験が多く出来るようにしていかなければ。つまり、思いを持って実践していけばよりやりがいのある仕事でき、強いては素晴らしい提供になる。と、日常のケアへの指摘もさせて頂きました。
4例目は『フットケアを通し生活の質をはかる…介護職員として出来る事』とのタイトルで、フットケアマッサージを実践するなかで浮腫の改善を試みるものだったのすが、実践のなかで、足湯をしたり、お風呂にみかんの皮や入浴剤をいれたり、時にはハンドマッサージをして、浮腫の軽減を試みた結果は余り数字的な変化は見られなかったとの報告がされたのですが、「色々な対応をして行く中で表情が明るくなった。」との報告があり、理事長としてのまとめの話の中で「一人での成功体験を全ての方に出来る様にしていき、その記録を残す事によって素晴らしい成果が得られると思います。」と話をしました。この様な場を持つことによって職員の力量は確実に上がっていくと考えていますが、リピーターの皆さんもきっと共感して貰えると思います。

