理事長コラム

リピーターの皆さん『3+4』の答えはご存じですよね

「何を聞いているのか」とお怒りの方もおありかも知れませんが、だったら、答えが『7』と言うのを「いつ覚えましたか。」と再び聞いたらリピーターの皆さんはどの様に答えられますか。

リピーターの皆さんの中には「失礼な事を言うな」と言う方も多いと思います。しかしながら私が児童養護施設児童指導員の時に中学2年生で繰り下がりの引き算が出来ない男子がいた現実を知っているからなのです。その時にはどのように対応したら良いのかが分からなかったので『教育者としての大先達』である、父進さんに頭を下げて教えを請い、父進さんのネットワークを駆使して貰って対応しました。マンツーマン指導を徹底的にしていく中で半年近くかかりましたが四則計算をクリアして中学1年生で学習する素因数分解の問題が解けるまでになりました。ある程度問題解決した段階で私は「どうしてこの様な事態になったのか」と考えてみました。その時に理解した事は小学1年生の時に算数の宿題で計算カードを親に聞いて貰って確認印を押して貰う様な事がある事を思いだしました。

その当時中学2年生だった男子は施設に小学3年生の時に来て、同学年には複数の男子がいたので、宿題などは同級生のやったものを写していたのではないかと言う事と施設に来るまでは親が子どもの勉強に全く興味が無かったからだと言う結論に至りました。その時の私は2つの事に怒りを覚えました。1つには子どもの教育に責任を持たない親の存在、2つ目は小学3年で施設に来た子に対して何も気が付かなかったのか、それとも気が付いていながら何も提案・実践しなかったのかと言う事です。

リピーターの皆さん、『子どもを色んな意味で育てるのは当たり前』と私も26歳で児童養護施設指導員になるまでは思って育ったのですがそうではない世界もあると言う事でその様な事の対応をする専門職の方の養成もしっかりしていかなければいけない事を今も思っています。38歳で児童養護施設指導員を辞し厳しい児童の現実と向き合おうとしたものの生計を立てることが出来なくて高齢者へと種別を変えて30年近くになるのですが今も、手を差し伸べて生計を立てられている存在について聞いた事がありません。私立高校までの無償化に予算を付けるのであれば、この様な現実に対しても光を当てて欲しいと思うのですが・・・。リピーターの皆さん、どう思われますか。