令和6年7月12日
既にこのコラムでも書いている事も含めて、また書いていると言われる事も覚悟してオムツに対するこだわりについて書くことにします。1998年5月から福祉の中でも児童福祉しか経験のない私が「福祉へのこだわりで実践すれば良い」と言う当時、日本福祉大学中央福祉専門学校校長だった吉田宏岳先生から背中を押されて本館施設が開設され、吉田宏岳先生のアドバイス通りに『福祉の理念を押し通す』形での展開を実践したのですが、開設当時は、法人の借り入れの分を私が稼ぐしかなかったので施設長になってからも大学等の非常勤講師を続けていて尚且つ措置の時代だったので先代の理事長と共に県内の市町村廻りをしていて、宿直こそ週に3回程度はしていたのですが昼間の勤務は土日を中心に週に4日程度しか施設にいられない状態の中で(その頃の職員は私が忙しくしていることなどお構いなしで)施設に在籍している時は私の思いで気が付いた事を言うのに、反発する職員が多くて1年目には多くの職員が退職しました。
そして、職員が少し落ち着いた段階で職員の方からオムツの見直しと検討がしたいとの提案がされたときに私はハタと気が付きました。それは、「私自身、オムツを当てた事がなくて何が介護事業の責任者だ。」と言う事です。「せっかくの提案だから職員全員で取り組もう。」と言う事で、オムツの供給業者の社長さんにお願いして3種類の会社のオムツを職員分3枚ずつ提供して貰い、オムツの吸収量の実験も職員と共にして、もちろんオムツを体験することも一緒になって行いました。最初の内は小便すらなかなかオムツの中で出来なくて腹圧をかけて何とか出たと思ったら際限なく出て、出た直ぐの時はオムツの中が温かくて、そのまま時間を置くとオムツの中が氷の様に冷たくなり、鼠径部の所が痒くなることも理解しました。
そしてそれ以上に困ったのは大便が出ないのです。「このままでは体調がおかしくなる。」と思い3日目にはトイレに行き排泄したのを今でも覚えています。そんな体験の中最終的に選ばれた商品はスウェーデン製の『テーナ』でした。価格は高いが間違いなく日本製のものより優れている。と言う事でテーナを導入しました。あれから25年の年月が経過して日本の商品もスウェーデン製の商品と遜色がなくスウェーデンから船で運ぶコストがないので日本製は単価が安いので今は日本製の『リフレ』と言う商品を購入しています。このようなこだわりが出来たのも職員の頑張りがあってこそと思っています。