理事長コラム

「平安之福」

令和6年1月10日

これは、高野山前官大僧正の静慈圓師から頂いた書の中の言葉です。普段は何と無く見ていた言葉なのですが、石川県能登地方を震源とした地震で甚大な被害の情報が入ってくるに従い、「平安之福」の言葉をぐっと噛み締めるばかりです。

石川県能登地方を中心に元旦1月1日16時10分頃に起きた地震は、誰もが予想だにしていなかったと思います。だから、能登の大きな家でみんなが集まってお正月を祝う大宴会をされていた方もあったのではないでしょうか。楽しく酒を飲み、美味しい食べ物に笑顔が溢れていて、誰もが楽しい時間が続くものと思っていた事と思います。そこへ震度7の地震が襲ったのです。これは正に「天国から地獄へ」と言う事だったと思います。

文明国家となった日本において特に「高度経済成長期」において、インフラについては目覚ましく発展を遂げ、どんなに僻地に行っても道路の整備はされ、上下水についてもしっかりと整備され、日常において蛇口を開けば綺麗な水が出て、水洗トイレもボタン操作一つで水が流れ、電気の明かりも昼間同様の明るさを保ち、寒ければ暖房を暑ければ冷房のスイッチをオンにするだけ。食事の素材は必要に応じて購入ができ、好きなものを宅急便で送って貰う事が出来る。その様に出来るのが「当たり前」と思っての生活。これは正に「平安之福」だからこそと言う事を、今回の能登地方の地震が教えてくれた。

自然の中で、100キロの位置の違いは誤差程度のものと言える。と言う事は岐阜県で地震が発生していたかも知れない。だとすると今も「平安之福」である私は感謝すると共に、支援をしっかりとしていかなければと思わざるを得ない。リピーターの皆さんも共に支援に力を貸して頂けませんか。