理事長コラム

介護報酬改正の政府発表に対する私なりの見解

介護サービス事業者への収入にあたる介護報酬の2024年の改定を1.59%引き上げる方針が固まったとの新聞報道に「診療報酬よりも上げ幅が大きいから納得しなさい。」との財務省の考えが透き通る様にみえるなと正直思いました。診療報酬が抑えられたのはコロナ感染症対策の中で手厚い報酬が確保されたからだと私は思っています。

1.59%引き上げの中には賃上げ対応分が0.98%が含まれていて、これとは別に施設の光熱水費と言った物価高騰への対応分が0.45と言う事で事業者には実質的には2.04%相当の引き上げ効果が見こまれるとの事です。

上げ幅を巡っては、財務省が1%強を主張し、厚生労働省は約3%を求めて調整が続いていた。とのことも報道されていたが、まさかそんな事はないと思いますが、財務省の1%と厚生労働省の3%の中をとって2%に落ち着いたと言う事では無いでしょうね等と邪推したくなってしまいます。

介護報酬を1%引き上げるには約1380億円増えると言う事ですが、職員の資質向上と職員確保をしっかり行い介護事業の安定により、安心が確保されることは国民のご理解を得られる様に思うのですが、リピーターの皆さんはどの様にお考えになられますか。

低賃金の世界では良い人材を確保する事は出来ませんし、入居者さんの「今日一日楽しかったよ」を形にするのも難しくなってきます。昔の武士の精神論の中に『武士は食わねど高楊枝』と言うのがあったそうですが、現実にはそのような事は有り得ません。確かに無駄を無くす事も大切ですが、それぞれの事業所で考えられて実践されていると思います。

机上論では無く現実を理解した回答を国が示して下さる事を切に願っています。政治的な後押しも必要ですので、そのためには多くの国民の理解と協力が必要です。少なくてもリピーターの皆さんのご理解はよろしくお願いいたします。