平成29年度岐阜県老人福祉施設協議会西濃支部 栄養士・調理師部会研修会

平成29年度 岐阜県老人福祉施設協議会西濃支部 栄養士部会研修 報告書

食事・栄養管理係長 若園貴宣

日時:平成29年12月13日(水)10時~15時

場所:大野町総合町民センター 2階大会議室

研修内容

今年度の栄養士部会は午前、午後の2部構成で行われた。午前はグループディスカッションが行われ、事前に聞き取った質問事項に関し、グループ内で討議が行われた。討議内容としては、食事摂取が悪い方の対応方法や、行事・イベント食への取り組み方などについて話が出た。摂取状況が悪い方への対応方法については、安易に原因を判断するのではなく、多職種の視点を取り入れることが重要だということだった。またイベント食については当施設で行っているバイキング料理の取り組みについて話をさせていただいた。バイキング料理を通して入居者の方が食べたいものを自己決定することの大切さ、味覚だけではなく、大皿の盛り付け方による視覚や、七輪、実演などを交え、五感を刺激することで、食欲を上げる方法について話をした。他にも当日までに話題提供することで、期待感を抱いて頂くことも、生きがいにつながることを話した。

午後は、赤坂歯科医院院長の山口正義先生より、口腔ケアの重要性について話を聞いた。医学の発展が感染症を予防したことも確かだが、それ以上に免疫力をつける上で、栄養の向上が寄与したことが大きいということで、食べること、噛むことが栄養状態を保持することに重要な意味を持つことを説明された。また認知症の原因疾患の中でも、アルツハイマー型は進行しても比較的に咀嚼力が維持される反面、レビー小体型は進行すると嚥下力が落ちるなど、原因疾患によって口腔状態に違いが出ることも話をされた。経管栄養の施行者に多い唾液による逆流性誤嚥についても、唾液に含まれる雑菌を口腔ケアで減らすことも誤嚥性肺炎を減らす上で重要であることを聞いた。