施設ケアマネージャー研修会
講演Ⅰ
「QOL向上に資するケアマネジメントとは~伴走型介護を支えるアセスメント~」
・伴走型介護に必須のアセスメント
①今の暮らしがベストなのか?幸せなのか?
現状の整理と未来の予測
アセスメントで過去、現在、未来の結びつけ
②未来のために、「今」なすべきことの明確化
③問題と課題の区別と明確化
問題は明確だけど、課題が不明確なことがとても多い
課題への具体的対応がプランにないと解決しない、予防できない
講演Ⅱ
「利用者のモニタリングの充実によるサービスの質の“見える化”と“改善”~利用者の状態変化を定量的に把握するためのコツと活用方法~」
・定期アセスメント
①“生きることの全体像”を捉える指標
②3~6ヶ月周期の実施
・状態変化の定量的把握
①同じモノサシで比較
②意味ある変化
③潜在的ニーズの気づき
・ケアの適切性を評価
①全体平均との乖離
②介入効果の証明
③ケアプランの見直し(改善)
講演Ⅲ
「最後まで自分らしくその人が望む終末期を実現するために~医療・介護連携による尊厳ある看取りケアの実践~」
・朝のミーティングは電子カルテやクラウド型の情報共有ツールの導入、医師や看護師はもちろん、リハスタッフ、厨房意職員も参加している。
・治らない病気や老化に直面した時、いつか人は亡くなるという言葉に向き合い、亡くなるまでどう生きるのかを考える。病気はもう治せなくても、楽にする事は出来る。とんびかく楽になれば、やりたいことも出てくる。やりたいことを支援して「いい時間」を過ごしてもらうことにとことん向き合う。そしてすべての選択を提示して、患者家族の揺れる気持ちに向き合い、後悔しないようにする。
・毎年「地域医療塾」を開催。参加者は全国の医学生や看護学生など。塾では「クリニックから地域を変えることが出来るのか。どのようなことをしたらよいか」といったワークショップも開催。
・多職種連携の必要性。連携は「自らの無職さを自覚すること」から始まる。
・在宅医療では、多職種間での「情報共有」と「方針の統一」が大切。
・「患者本位」を常に貫く。
・在宅医療で求められるのは、専門知識よりも患者対応力の高さ。
・在宅医療はBeing「支え、寄り添う」医療
・家族の揺れる気持ちに寄り添う。
「所感」
今回の研修を通して、アセスメント、モニタリング、評価の重要性を再認識できた。在宅医療の講演を聴き、僻地であっても多職種は連携でき、その人らしい終末期を迎えられることを理解できた。今ある現状から、その人が望む終末期を迎えられるように、施設ケアマネージャーとして多職種と連携し解決していきたい。
主任生活相談員・介護支援専門員 伊藤 良明