全国老人福祉施設研究会議 高知会議に参加してのレポート
歯科衛生士 廣瀬 絵里佳
1日目の全体会の記念講演では、「自立支援から看取りまで」というテーマで医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長 佐々木 淳先生の話がありました。
高齢社会に於いて、ネガティブな印象が強くなる要因に「財源の問題」と「支えられている人が幸せに見えない」が大きいのではないか?との事でした。
老衰、癌、臓器障害の3種の衰退グラフの説明があり、グラフに当てはめる事で、いつから看取りとすべきなのかを本人、家族、多職種が共通理解し最期をより本人らしく迎える事が必要と分かりました。皆が納得し人生を終える事で残された者も気持ちの整理が出来る。私たち日本人は、「死」を日常で語る事はほとんどありませんが、コミュニケーションの中で「最期の迎え方」、そしてその時までに「どの様に生きていくのか」を上手に聞き出す必要があると分かりました。
また、自分のケアに対し「これで良かったのか」と悩む事が多々ありますが、ジャンセンの臨床倫理検討シートを使用し、多方向からの情報で倫理的判断をすることを学びました。
支援者の在り方として、感情の表出を受け止める事の重要性も分かりました。
私たちの仕事に於いて、正解は分からないからこそ、決定に至るプロセスが重要と学び、看取りの書面は書く内容でなく、その行為により皆で一緒に考えた事がその後の揺らぎが少なくなると考えられると分かりました。また、チームのみんなで本人に伴走する際は、本人が本当に信頼できる人がリーダーシップをとることが良いとわかりました。
ケアにとって大切な事はコミュニティーの力であり、同世代のみでなく、若い世代で良いので友達が必要だと学びました。今後、繋がりを大切にしたケアを実践したいです。
2日目の研究発表では、様々な施設での食支援の取り組みを学ぶことが出来ました。良い部分を参考に実践していきます。また、先駆的特別報告や特別報告に於いても、評価に基づいたケアの大切さを強調されていました。
また、日常の業務記録も言葉による文字ベースの記録のみでなく、数値化した明確な記録、写真、動画など記録者の主観の混じらない、あるべき姿の記録をしていく事も必要と感じました。
研究発表に参加し、歯科衛生士として口腔ケアをどの様に進めていき、食支援に繋げるべきかの第一歩が分かりました。職員全体で取り組めるよう、しっかり段組みをし実践していきたいと思います。
今後も入居者様が楽しく、安心して生活できるように課題を一つずつ成し遂げ、ケアの向上に努めていきます。