令和6年度岐阜県老人福祉施設協議会西濃支部栄養士部会研修会報告
令和6年10月17日
令和6年度岐阜県老人福祉施設協議会西濃支部栄養士部会研修会報告
食事・栄養管理係長 若園貴宣
上記研修会に参加しましたので以下報告します。
①講演「その食事形態は対象者の口に合ってますか?」
講演内容を要約すると「食事形態は常食や刻み、ソフト食など分かれているが本来は十人入居者様がいれば、十通りの食事形態が本来は必要である」ということでした。
講師の先生からの言葉1つ1つには新しく知見出来たもの、興味深いものもたくさんあり非常にためになる講演でした。以下に自分にとって勉強になった講師の言葉を列挙し、今後の業務に生かしていきたいと思います。
・学会の嚥下基準は重度者向き。なぜなら「丸のみ」部分が細かく設定してあるから。
・結局のところ、食事介助は入居者様の口に入る前の手元調整で十人十色で対応するのが理想。
・刻みやソフト、ミキサーはあくまで調理者側からの形態名。食べる側を重要視すればそれぞれミキサー=丸のみ食 おしつぶし食 刻み=すりつぶし食と名前を変えるべき。
・耳下腺と舌下腺から出る唾液は成分が違う。嚥下上、サラサラのゆるい唾液が出る耳下腺の方が有効。(あんは濃すぎるとダメ)
・食べる行為自体は大脳を介さない。大脳は何を食べているかを認識する。
・絶食3日間で内臓器官は一気に衰える。数口でもいいので口から食べるという行為は内臓機能を保持する意味でも大切。
・食べるから体が動くのではない。少しでも体を動かすことが食べる機能の維持につながる。
・たんぱく質を含む飲料は肺炎になりやすい。
②グループワーク
①の講演を受けて、それぞれの施設で食事形態はどのように展開されているか話し合いました。
6名のグループでしたが、私も含め日清の委託が3名で当施設と同じく、クックチルのセンター方式採用で、入居者・利用者様の個人対応が病気・アレル ギー対応のみとなり、嗜好の対応が出来なくなったことに頭を抱えているようでした。
ある施設ではミキサーとソフト食の間に、ゼリー食なるものが存在し、ソフトに比べ素材の粒感がない食事形態で、その形態でセンターから運ばれてくるということで、委託給食業界においても、0から厨房で調理することが減り、センター化が増えていることや、反面食事形態の多様化も増し、委託業者を選ぶ上での1つの判断基準になりえているのだと感じました。