ユニットリーダー研修
講義研修 名古屋 9月13日~15日 芝崎 真行
・ユニットケアの4つのポイント
理念=第33条 暮らしの継続
入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなる様配慮しながら各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。
①少人数ケア体制をつくる
②入居者が自分の住まいと思えるような環境をつくる
③今までの暮らしを続けてもらえるような暮らしをつくる
④24時間の暮らしを保障する仕組みをつくる
・ケアの視点
1日(24時間)の暮らし
24時間シートを作成することで個別の一日の生活が分かるようにす
・ユニットケアの効果
住まい(個室・キッチン・浴室など)
⇒ 今まで同じ見慣れた建物
最後まで家に住み続けられる
自分のペースで「食べて、出して、寝る」
⇒ 最後まで個人に合わせたペースで暮らせる
少人数ケア体制 固定配置
⇒顔なじみで安心感がある。
些細な変化に気づきやすい。
実地研修 飛騨寿楽苑 9月18日~22日
1日目(12:00~20:00) 認知症対応型
2日目(8:30~17:15) 認知症対応型
3日目(8:30~17:15)
4日目(7:00~15:45) 認知症対応型
5日目(7:00~15:45) 認知症対応型
気付き
・基本的に1ユニット職員3~4名で対応できる形にしている
・入居者様のペースに合わせての対応
起床・・・それぞれの方のペースに合わせて「起きる」と意思表示あれば必要に応じて対応している。昼前まで 起きて来られない方もあり。
日中・・・リビングで過ごされる方は少なく、自分の部屋で過ごされる方多く見られる。
夜間・・・その方に合わせて朝方まで起きてみえる方もみえますが、昼夜逆転とはとらえず、その方の1日の生活習慣ととらえて対応していました。
・トイレは居室にあり、パットなどや汚物類に関して他の方に分らないよう袋に包み持ち運ばれていました。
・-2~4日で浣腸をされている方が多い。
・入浴午前中は基本なく、午後のみでマンツーマンで対応されていましたが、入りたい時間などは希望に添えていないとの事。(フロア内に個浴と機械浴ありで1日7名程度対応)
・常に職員が意識するように、寿楽苑の理念が張られている。(トイレなどにも)
・会議の際は理念を唱和してから始めている。
・会議の時間は基本は勤務内で全て行っている。
・他のスペースに仏壇などあるが、自施設ほどには活用できていない。
・PHSは1ユニット1本でその日は誰が持つか決まっている。(コール対応は基本その職員が対応する)事務所からの連絡は子機の方にかかってくる。自施設程の使用頻度はみられず。
・2ユニットでコの字型になっており、全体の把握はリビングやワーカー室からできない。
・居室間に少し広めのスペースがあり、その部分に飾りつけをしている。
・使い切れていないスペースもあるがいくつもの生活空間をつくっている。
・新任、転任力量チェック表というのがあり、2か月(基本的な事)・3か月(各介助の対応の事)・4か月(個別支援や介護技術の事)・6カ月(認知症ケアとユニットケアの事)とそれぞれの分野に分けてのチェックをしてもらい、どこまで出来ているか?理解しているか?を把握していました。
《リビングでの気づき》
・入居者同士でのコミュニケーションは少なく、職員からの声掛けなども必要最低限の感じがしました。
・環境整備に関しては必要最低限でしたが家庭内の雰囲気がでる様、職員が作成した物などがありました。(例、釣り下がりの蛍光灯のカバーを職員が材料を買ってきて作成)
飾り物は車椅子の方目線までさげている。
・ソファーなどの物品、施設でも用意しているが足りない物は自宅で使用していない物を職員が持ってきたり、入居のご家族、地域の方に寄付してもらったりしていました。(但し、中々それぞれの入居者間に合わせた物は手に入りにくいとの事でした。又、ユニットによって活用できていない物も多いそうでした)
・各ユニットの入り口や入って目につく場所に、花等飾ったり、出勤職員の写真を這ったりされていました。
・ユニット内から出て行かれる方1名みえ、日中はユニット内から出て行かれても職員の出入りが多い為、特に問題はない様でしたが、夕食後~就寝介助の時間帯は一人にかけている時間が長い為、リビングに誰もおらず、出て行かれても気付かない事ありました。(人が少なくなる場合は、リビング出入り口施錠する事もあるとの事)
・9:30~11:00頃、14:00~15:00頃と職員がリビング周辺にいない時間が多くなる。
・杖やシルバーカー・歩行器を使用している方はほとんどおらず。(歩行及び車椅子のどちらかの方が多くあり)
・居室センサーマット(色々な種類の)を使用している方が多くあり。それぞれの方に合わせた生活環境、時間にしている為、ヒヤリハットが出た時点で使用しているとの事。必要なくなれば外している。
《食事についての気づき》
朝食7:00頃~ 昼食11:30頃~ 夕食17:00頃~
主食のみ(ミキサーなどは別)各ユニットで作り、副食類は厨房で作った物を中皿位のものに盛って配膳車で持ってくる。
・ご飯やお粥はキッチンで作っている。
・盛り付けは出来る方にして頂いている。
つまみ食いされる方はたまにみえるも特にそれ以外の問題は特にないとの事。
・箸や茶碗、湯のみは本人持ちの物を使用している。
・エプロンは自施設で使っているようなものではなく、職員が使っているエプロンタイプの物や割烹着を使用している。
・介助の方はその方の覚醒状態に合わせて離床介助し、マンツーマンで対応していました。
その方の食事摂取状況に合わせてメイバランスなどの補助食品を常にストックして対応。
・自施設に比べ、ユニットで盛り付けがしやすい様に副食類シンプルにしてあり、全体量も少なく感じました。(あれで一食500円は高く感じました)
カロリーは1350~1500の間
火曜日・金曜日はパンの日(パンの日が全体的にカロリー高かったです)
・自分で食べられる方1時間半くらいかけて食べられている方もみえ、介助の方は量的な物もあり、1人の介助に最大で30分程度でした。
・食前や食後の薬の確認は看護師⇒遅番⇒夜勤者と3重のチェック体制をしているがそれでも確認ミスがある。
・食後のリビング掃除は毎回きちんと掃き掃除及びモップがけを徹底していました。
5日間実地研修をして感じたこと(入居者の立場として)
参考にする所は色々ありましたが、リビングでの1日の生活で私の感性がおかしいのかもしれませんが、入居者間・職員との会話があまりなく、リビングで何するわけでもなく、ボーっとしている。居室で横になったりテレビを観たりしている?外に出たり、イベントがあるわけではない。個別ケアと言う名の従来型? 職員も1日の流れが業務になっている? みたいに感じました。 自施設では一場面ですがにぎやかすぎ・はっきり言う方も何人もみえ、トラブル?と思われる事も多々ありますが共同生活としては活気があり、それぞれの個性が色々な所ででており、これはこれで良いのではないか?と思いました。
《他施設と比べての自施設の良いと思われる所》
・全体参加のボランティアや行事が多い事
・入居者同士や職員とのコミュニケーションが良くとれている事
・外出とまでは行かないが施設内を散歩したり畑の手入れをしたりしている事。
《研修を踏まえて自施設で活かしていく事》
・24時間シートを作成する事で入居者個々の一日の生活リズムを把握する。聞き取りなどで本人の意向や好み、本人ができる事、サポートが必要な事、注意が必要な事を見直す事でその方の事を各職員が理解し見直していけると思われる。
・そのリズムに合わせてそれぞれの入居者様が生活しやすい様に変更できる事はする。
・それを元にした一覧表を作成する事で職員が理解し、新人職員が入ってきてもそれをみれば、個々の方の一日の生活リズムや各介助の必要事項が分かる様にできる。
・施設の理念を職員各自が理解出来るようにする。
・介助などに邪魔になる部分はあるが職員の顔と名前がわかる様にする。
・フロア会議をひと月に1度は行い、ケアの見直しなどを話し合う時間を設ける。
今後の流れの予定
①福祉見聞録に入っている書式で入居者の方1名取り敢えず作ってみる。
②ユニットケアの理念や意義をまとめる。
③フロア会議を開催し、新館1F職員にユニットケアについての話しや24時間シートの作成や目的を説明する。(それ以上の事は取り敢えず置いておく)
④天のフロアから行う。(担当ではないが職員1人1人に入居者1名選んでもらい、各自で聞き取りを行ない、24時間シートを作成してもらう。2週間程度で)
取り敢えずの目的は天フロア朝は勤務により1人で6人の食事介助をしている為、起床時間をずらす事で食事介助時のリスクを減らしていきたいと考えます。
⑤芝崎・長野で確認し、西川課長・吉田部長・佐藤先生にも確認してもらう。
⑥天フロアの方の分ができたら一覧表を作成し、キッチン(入居者が分からない様にする)とCW室に張り出す。
⑦色々と見直しながら半年程度を目途に形を作っていきます。それができれば、結フロアも行っていく。