デイサービスセンター生活相談員研修会の出張報告
デイサービス:北島 賢治
平成29年11月27日から11月28日の二日間にかけて、研修に参加してきました。
講義の前に、瀬戸理事より基調報告がありました。その中で、デイサービスの提供時間区分の見直しについてのお話がありました。各事業所の実際のサービス提供時間を調査すると、3時間以上5時間未満は「3時間以上3時間半未満」にピークがあり、5時間以上7時間未満は「6時間以上6時間半未満」に、7時間以上9時間未満は「7時間以上7時間半未満」にピークがあることから、サービス提供時間の実態を踏まえて現行の基本報酬のサービス提供時間区分を見直しの案があることをお話しされてみえました。提供時間がギリギリのところで提供しているところが同じ単位数ではおかしいことから、平成30年度改定では提供時間を1時間ごとに見直してどうかという案が上がっていることが理解できしました。自分の事業所では、6時間のコースと7時間半のコースに分かれており、改定があった際には、時間と単価のバランスなどを色々なことを考えて検討していかないと実感しました。
デイサービスにおける生活相談員の実務と実践をテーマに、JAPAN UNITED HOME CARE 田中代表が講義されました。まず初めに、多くの方が「忙しい日々の業務の中で、目標の設定が出来ていない。」と、はっきり言われました。目標の設定は、半年後・1年後・2年後を自分の事業所の運営が、どのような状況にあるのか想像ができますか?とのことでした。自分なりに想像していましたが、「今年度の個人の目標の設定だけはしていても、具体的に取り組めていない。」と思ったのが自分の正直な感想でした。また、各職員の目標も設定していますが、実際に共有することも出来ておらず単なる目標でしかない状況があり、目標への行動を起こすためにも目標を共有できる雰囲気づくりを行っていこうと感じました。個人の目標を共有して行動することが出来ていないため、施設長から「職員が育ってこない。」などと話をされることを頭の脳裏に浮かび、現場から離れて研修に参加したことで痛感しました。その上、事業所の計画は出来ていない状況であり、今月の売り上げ目標が出来てならず、今月の営業計画もない状況が続いてきました。たしかに、自分一人の中では「1日の平均利用人数を30人」という目標を持って取り組んでいただけで、反省するばかりでした。資金計画については、施設長や幹部会で検討されることかもしれませんが、その計画はパートの職員の方までの説明がなく、「電気や水道代の節約に心がけて下さい。」などと説明しているだけでは、職員の方には響かないし同じことの繰り返しの状況が続いているのかもと自分なりに考察して感じました。
そして講義の終盤では、「今後のデイサービスにとって大切なことは、利用者様のアウトカム(目指す結果)に対しての支援です。」と話されました。どういうことかというと、知識・技術をもって信頼関係を構築し利用者様のアカウントを繋げることが求められるということでした。自分の事業所を振り返った際に、ケアマネさんが考えられたプランに沿って通所介護計画書を作成してはいますが、そもそもケアマネさんが作られるプランは利用者様が本当に目標としているものかですか?と田中代表より問いかけられました。その時に心がドキッとしました。たしかにデイサービスで過ごしてもらう計画は、それなりに出来ているかと思います。しかし、そこまでの内容になってしまっており、デイサービスを利用することで「どうなりたい?」かまでの内容にはなっていません。たしかに「安全に気持ちよくお風呂に入りたい。」などのニーズなどは記載されてありますが、本当のニーズを把握できていないと、また反省させられました。生活相談員として、利用者様の担当者会議や新規の契約に行かせてもらっている中で、利用者様や家族の方から本当のニーズを聞きだされる絶好のチャンスを逃してしまっており、日々の業務の中で他の職員の方に「業務で仕事をしないこと!」などと指導しておきながら、自分も業務的に会議に出ている部分があると愕然としました。これからは、担当者会議などで利用者様にニーズを聞き出す技術を身に着けていき、本当のニーズを読み取れる相談員を目指していきたい。ほかにも、たくさんのことが学ぶことが出来ました。もっともっと報告したいことがあるのですが、その報告は実践で報告できるよう取り組んでいきます。
次は、「自律/自立支援を見据えたデイサービス事業の展開を考える」をテーマに株式会社TRAPEの鎌田社長が講義された内容の報告。
最初に話されたことは、デイサービスの在り方に変化が求められており、変化に対応していくためにも、介護現場の生産性をどうやって上げていくかを話されました。生産性を上げるために、まずは決めつけられている業務を見える化することで業務を見直すということでした。このことは鎌田社長だけではなく田中代表も同じようなことを講義されていました。介護職員の方に新しいことや変化を求めようとしても、「そんなことは無理。」「できるわけがない。」などと反対される場面が多くあるが、業務の手順を見える化していき、業務の手順と内容を言葉化していく。この言葉化が不十分だと現場から反発されてしまう。そうならないようにするためにも、現状の問題は何かを認識・抽出して問題を正しく設定することが重要と話してみえました。自分がデイサービスに異動となり5年が経ちました。その間に、いろいろと改善してきたつもりではありましたが、実際に日々の業務を見直して改善までは出来ておらず、これまで以上に業務の改善を行っていかないといけないと強く感じました。業務の改善をすることで、効率が悪いことを減らしていき不十分だったところを補えるように時間を当てることや、定時で帰宅できるようにしていきたいと共感しました。
もっと衝撃を受けたことは、「利用者様が歩行練習を取り組まれて、40mの歩行が出来るようになりましたが、だからなんなの?」という言葉でした。40mの歩行が出来るようになったことは悪いことではありませんが、「上がった機能で、どんなことが出来るようになったのか?」を評価することが重要と話されたことでした。このことを聞いて、今までの取り組みは不十分だったと感じました。自分の事業所でも利用者様に歩行練習を行ってもらっていますが、実際は僕自身や職員の方の自己満足でしかなかったと反省しました。歩行が出来るようになって、利用者様はどうなりたいのかも不明だったこと。そしてなぜ歩行練習をする理由の説明も利用者様に対して不十分だったこと。歩行練習だけでは